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教師の考える未来とは?
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【はたらく みらい】AI共存共栄の未来もありかも
教師の考える未来とは?

令和の時代。
仕事の在り方そのものが変わろうとしている。人々の多様性や生き方、価値観はどう変化するだろう?
AIなどの人工知能の発達は、どんな影響をもたらすだろう?でも…働きかたは十人十色! 人によって顔や性格が違うように、仕事も、働き方もいろいろ違う方が面白い。

いろんな人の働き方、生き方をリサーチすることで「はたらく☆みらい」を探求する、この企画。

合言葉は、わたしたちの未来は、きっと明るい

さて今回の「はたらく☆みらい」は、教師の森さんにお話を伺います!

1.教師から見た働く未来

ミラマガ取材班
森さんは、教師としてお仕事をされているそうですが、率直に「働く未来(人工知能と仕事)」をどう考えますか?

森さん
教師という仕事は、社会問題になっているように課題が多い職業です。教師の資質不足だとか色々と問題はありますが、求められることが増える一方で根本的に人手不足であること、これはもう変わりようのない事実です。そう考えると、やや抵抗はありますが人工知能と共存共栄、力を借りるべきなのかもしれません。

ミラマガ取材班
使命感が強い職業だと思うので、あまり現職の方はそうしたことをおっしゃらないイメージですが、例えば、どういったことが人工知能に置き換えられるでしょうか。

森さん
学校などの教育機関は全て、カリキュラムを元に授業を展開しています。つまり、各教員、各学校の指導によるバラツキがないようあらかじめ整備されているわけですね。

そうした学校(教師)側が提供する知識や方法は、人工知能に取って代わられる可能性があります。それに昨今はICT教育が推奨されていますので、もう既に変化が表れている部分ともいえます。さらに、文部科学省はAI教育の取組を奨励しているということですから、我々が思っている以上のスピードで人工知能が子どもたちの学習を先導していく未来がやってくるかもしれません。

2.教師はAIで事足りる?

ミラマガ取材班
ひと昔前まで、板書されたものをノートに書き写して、プリントや問題集を解いて…みたいな勉強方法が当たり前でしたよね。
最近の学校は、クラスに一台電子黒板があり、生徒もタブレット(PC)が各人に割り当てられていると聞いています。いずれもインターネットにつながっていて、そうした手持ちのツールさえあればどこに居ても勉強ができますよね。

森さん
そうですね。でも、そうしたツールの使い手としてではなく、教育者(指導者)という存在そのものが不要かといえばそうではありません。


私たち人間は、学校における教師、スポーツにおける監督やコーチのように、人工知能にできない役割を担っています。
例えば、学校におけるクラス、部活などのチーム、友達などのコミュニティのようなものは、複数の感情が入り混じって成り立っていますよね。人工知能には、他者理解、ネゴシエーション、説得、周囲との協調協働といった感情に基づく人間の行動を理解することはできません。

これを学習に置きかえて考えると、子どもたち自身が自ら学んだり、子どもたち同士が学び合ったりすることをサポートする役割は人間にしかできないということです。

3.先生のモチベーションとは

ミラマガ取材班
確かにAIがどんなにデータを駆使しても、人間に学習を強制すること、はたまた、より良い学習の場を提供することなどはできませんよね。子どもたち一人ひとりの個性を理解し、どう働きかけるか、これは紛れもなく人間である教師でなければできません。

ところで、森さんの仕事のモチベーションは何ですか?

森さん
先ほど使命感という言葉がありましたが、やはりどんな子も幸せになってほしい!
だから、勉強やスポーツとか数字としてわかりやすく見えるものはいったん置いておいて、社会の荒波で生きていけるようなメンタルと、人に対する思いやりの心を身につけてほしいと思っています。
自分の手を離れた子どもたちが幸せな人生を歩んでいる、そうした姿に触れた時は途方もなく嬉しく、またそれが目の前の子どもたちに対するモチベーションに変わりますね。

4.未来の展望を教えてください

ミラマガ取材班
ありがとうございます。最後に、Aさんにとって「はたらく☆みらい」の展望を教えてください。

森さん
正直、今後もずっと教員として働いているかどうかを問われたら、YESともNOともいえないところがありますね。教員という仕事は大好きですが、将来、子どもたちに教えられるものがあるかどうか…。でも、見本となるべき人間でありたいとは思っています。
私自身が、気づいたら優秀な人工知能、教わる側の生徒だったりしてね(笑)

#森さんのプロフィール

教師である両親に影響を受け、子ども心に教育者を志す。大学卒業後、地元に帰り高校教諭に。

あれから14年。現在もなお教壇に立ち、日々、自問自答しながら教師の道を歩き続けている。

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