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知ってて当然「働く女性」

レーワちゃんが物申す!
知ってて当然「働く女性」

ある意味歴史的なワタシ
(ヘイセイ君)の会社

レーワちゃん

「うーん……聞けば聞くほど、お父さんの会社ってほんとヤバ
いね」

デスクで勤務していた(ふりをしていた)ときに未来から突如現れ、私をタイムマシンらしき乗り物に放り込んだ我が娘、レーワ。
彼女いわく、私が今勤務している会社は「圧倒的に時代遅れで、企業価値のカケラもない」という状況であるがゆえ、近い将来に倒産してしまうのだという。
そして父である私も、そういった企業で何も考えずに働いていたがゆえに人材としての価値が乏しく、再就職に失敗。そして結論として私は妻と離婚し、一家は離散するハメになるのだとか。

レーワちゃん

「……ていう最悪の事態を防ぐため、令和27年のニッポンから私がやってきて、おとうさんを再教育というか予防教育するためにヒアリングしてるわけだけど……おとうさんの会社、さすがにちょっと古すぎるでしょ? 想像してた以上にヤバいじゃん」

ヘイセイ君

はて? ウチのオフィスが入ってるビルは築20年ぐらいだから、まだ「めっちゃ古い」ってほどでもないと思うのだが?

レーワちゃん

「そういう問題じゃなくて、働き方というか、企業としてのあり方がめっちゃ古いの。おとうさんがいる時代って私からしたら大昔だけど、もういちおう令和になってるんでしょ? でもさ、おとうさんの会社ってほとんど昭和よ。いや大正よ明治よ。私からしたら『歴史上の存在』よ!」

「……ていう最悪の事態を防ぐため、令和27年のニッポンから私がやってきて、おとうさんを再教育というか予防教育するためにヒアリングしてるわけだけど……おとうさんの会社、さすがにちょっと古すぎるでしょ? 想像してた以上にヤバいじゃん」

レーワちゃん

「そういう問題じゃなくて、働き方というか、企業としてのあ
り方がめっちゃ古いの。おとうさんがいる時代って私からしたら大昔だけど、もういちおう令和になってるんでしょ? でもさ、おとうさんの会社ってほとんど昭和よ。いや大正よ明治よ。私からしたら『歴史上の存在』よ!」

このずけずけと物を言う感じは妻そっくりである。やっぱりこの若い女性は未来からやってきた我が娘、レーワなんだな……なんてしみじみしてる場合じゃなくて、ええと、ウチの会社の体質ってそこまで古くはないと思うんだけど? 5年前から男性社員はノーネクタイでもOKになったし。

あれ、女性社員の役割って
何だっけ

レーワちゃん

「だ・か・ら、そういう問題じゃないの。そもそもよ?
さっきちょっと見たけど、おとうさんの会社、女性社員があんまりいないじゃない」

ヘイセイ君

や、そんなことはないよ。ええと、総務部と経理部にはけっこ
うな数の女性社員がいるし、ウチの営業部のケイコさんが淹れ
てくれるお茶はうまいし。

レーワちゃん

「……まだ女性社員にお茶くみさせてるの?」

ヘイセイ君

いやいやいやいや! たまにですよ、たまに。普段は自分で淹れてます! たまにケイコさんのご厚意に甘えることもあるだけです! ……それにさ、ケイコさんは営業部のアシスタント的な立ち位置だけど、サオリさんっていう“リーダー”だっているんだぜ? ウチもぜんぜん普通な「今どきの会社」なんだよ。

レーワちゃん

「まぁ国から言われてることを最低限やってる程度だよね。
で、そのサオリさんだけどさ、さっき見たところによれば20代後半ぐらいの女性だよね? 彼女がさ、もしも出産したら、あの会社に戻ってこれるの?」

ヘイセイ君

や、よく知らないけど……さすがに戻ってこれるんじゃない? たぶん。

レーワちゃん

「彼女が育休を取得した後、戻ってこれる部署はあるの?
ワーキングマザーになった彼女が普通に活躍できる業務はある? 管理職としてさらに上にいけるキャリアパスはあるの?」

ヘイセイ君

ある……と思うけど。まぁ時短勤務になったりする関係で、給料は下がっちゃうのかもしれないけど。

レーワちゃん

「……そんな会社でさ、女性が“働きたい”と思う? 思わないよね?」

ヘイセイ君

そうかもしれないけどさ、でも仕方ない
じゃん? だって“女性”なんだし。いろいろな部分で男性社員とは違うんだよ。そこはわかってよ。

レーワちゃん

「……何言っているの? そんなことだから近い将来倒産するんだよ。あのさ、おとうさんが今いる令和5年の時点ですでに、マトモな会社は育児に男女で参画するため、リモートワークなんかの柔軟な働き方を導入して、女性が家庭と仕事を両立しやすくなるようにしてるんだよ? 知らないの?」

ヘイセイ君

いやまぁ、なんというかその……。

レーワちゃん

「ちゃんと世界のニュース見てる? おとうさんの時代あたりから女性が経済や政治、企業のトップに進出するケースが格段に増えてきたはずだし、女性のリーダーシップが尊重されて、『多様性が尊重される組織文化』も十分に浸透してるはずなんだけど……本当に知らないの?」

ヘイセイ君

いやまぁ、なんちゅうか本中華……。

レーワちゃん

「懐かしCMの動画ばっかり見てないで、マジメに生きて!」

ヘイセイ君

……すみません。ええと、今(令和5年)だと例えばどんな企業が「多様性が尊重される組織文化」ってやつを積極的に構築してるんだろう?

女性の職業生活における活躍の
推進に関する法律

レーワちゃん

「あくまで一例だけど、ソニー株式会社は『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律』に基づく厚生労働大臣認定のうち①採用 ②継続就業 ③労働時間等の働き方 ④管理職比率 ⑤多様なキャリアコースという5つの評価項目すべての要件を満たして、『女性の活躍推進が優良な企業』として最上位の認定を取得しているはずよ」

ヘイセイ君

ソニーさんかぁ。ウチの大切なお取引先だよ……。

レーワちゃん

「ソニーはね、女性リーダーの育成やキャリアアップを後押しする研修、女性社員を対象とした座談会や交流会、あとは『次世代育成のための女子学生向けサイエンスプログラム』なんかを実施してて、これらの活動が評価されて認定に至ったの」

優良なお客様も優秀な人材も
どっちも欲しいよう

ヘイセイ君

ソニーさん、やっぱり進んでるね……。

レーワちゃん

「進んでるっていうか、『グローバルで見た場合の普通』をきちんとやってる感じかな。そんなソニーとおとうさんの会社、あえて“御社”っていうけどさ、御社を頭の中で比べてみてよ。どうよ?」

ヘイセイ君

……ええとですね、まずはソニーさんが規定している「取引先企業のコンプライアンス」に抵触しちゃって、大切なお取引を失う可能性があります。

レーワちゃん

「だよね、あり得るよね。そのほかは?」

ヘイセイ君

んーと、弊社の未来を担う“優秀な人材”がウチの会社に集まる予感が、まぁぶっちゃけほぼゼロですね。

レーワちゃん

「よくできました。で、そうなるとおとうさんの会社はどうなるの?」

ヘイセイ君

今すぐにではないかもしれないけど……
まぁ時代の波に取り残された結果として、そのうち潰れるでしょうな。

レーワちゃん

「大変よくできました。そうとわかったら、過去というか、おとうさんにとっての“現在”に戻ったらすぐに会社を改革して! そうしないと私たち、一家離散に
なっちゃうから!」

このずけずけと物を言う感じは妻そっくりである。やっぱりこの若い女性は未来からやってきた我が娘、レーワなんだな……なんてしみじみしてる場合じゃなくて、ええと、ウチの会社の体質ってそこまで古くはないと思うんだけど? 5年前から男性社員はノーネクタイでもOKになったし。

令和の時代を生きているつもりの自分だったが、こうして言われてみると、頭の中は“昭和”のままだったのかもしれない。いやマジで令和5年の世界に戻ったらできる限りの改革をしないと、我が社は本当に潰れて、我が家族は本気で“一家離散”になるのかも……。
これはもうやるしかないね。というか、いつになったら令和5年の世界に戻れるのか、わかんないけど!

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